【ギバーとテイカー】~中編~ 与える人「ギバー」が、決して相手に与えないものとは?

毒親の因縁を断ち切って自由なあなたを生きる「オリジナルライフメソッド」香月映見です。

今日もブログを読んでくださり、大変ありがとうございます。

「ギバーとテイカーについて」

ギバー Giver とは「与える人」

テイカーTakerとは「受け取る人」「奪う人」

この中編では、「ギバー」について書き進めてみます。

前編 【あなたは大切な者を、誰かに奪われ続けていませんか】では、「テイカー」について書いています。https://original-ownlife.com/blog-2023-11/

◆「ギバー」って?

馴染みあるコトバでは「ギブ&テイク」のギブ、与える人のことです。

テイカーに比べると、随分と平和的、友好的であり、いわゆる「良い人」のイメージがあると思います。

このホームページにたどり着いた皆さんは、主に親との関係に悩んでらっしゃる方だと思います。

では「ギバー」を親子関係や毒親夫婦に当てはめて書いてみましょう。

◆実は「テイカー」より厄介な「ギバー」

毒親家庭運営の機能不全家族内では、テイカーとギバーが割と分かりやすく存在しています。

例えば、親のどちらかがアルコール依存・ギャンブル依存・薬物依存などの依存者である場合や、DVやモラハラをする人間が家族にいる場合、この依存者・DV・モラハラする本人は「テイカー」と言えます。

もっと端的に言うと、暴君側(支配者)がテイカーで、耐え忍ぶ側(非支配者、被害者)がギバーです。

この「テイカー」は伴侶や家族の様々を我が物顔で奪い、感謝もせずに使い捨てします。問題を起こして、それを自分自身で処理できず、伴侶や子どもの時間、労力、愛情、現実的な面では金銭をも奪い取っていきます。

そしてその状態(テイカーが延々とテイカーでいられる状態)が長々と継続する場合、この傍らには必ずと言っていいほどその支配者と共依存状態に陥っている「ギバー」(非支配者、被害者)がおります。

私の育った機能不全家族を例に取ると、父はギャンブル依存30余年の筋金入り「テイカー」、そしてその傍らにはいつも母「ギバー」がおりました。これまた年季が入っております。

「ギバー」は一見すると苦労しながらも人に尽くし、耐え抜く美しき人間に見えます。

可哀想な苦労人の被害者です。だからイメージ的には弱弱しく、清廉潔白で、人から同情を買います。

◆「ギバー」の肚(ハラ)の中

しかしその実、この「ギバー」は伴侶や我が子の為に頑張っているのではありません。

単に自分軸が定まらない未熟さから、強い見捨てられ不安を内包しており、「見捨てられたくないからこそ」ありとあらゆるものを際限なく依存者(テイカー)に差し出します。

毒親家庭の場合は、この夫婦共依存ケースが多く見られます。そして、その「可哀想な親」を助けに助ける子どもにもこのケースが多いです。(母子共依存)

私もかつて、母との関係がそうだったんです。

◆「ギバー」が自分の救済対象者に決して与えないもの

それは「自分の問題は自分で解決するという成長の機会」です。

「テイカー」にそれを与えないことこそが、「ギバー」の存在価値なのです。

もっと言うと「テイカー」が問題を自ら解決してしまったら・・・「ギバー」として実に困るのです。

だってそうなれば、自分はもう「助けなくていい!」それは「ギバー」にとって、自分の存在価値や存在意義がゼロになってしまうことと同じ意味だからです。

「ギバー」の恐れは、正にここにあります。

本人はこれに気づこうとしません。この自分の「怖れ」は、痛すぎて、辛すぎて、決して見たくないため、固く強くそれに蓋をしています。

◆長い「ギバー」人生の悲しい思考停止

そして長い長いギバー生活を送っている間に、その生き方が習慣化し、常に不機嫌、恒常的に負の感情に支配され振り回されているので、「私はなんでこんなボロボロになりながらも、あの人を助けるのか」と考える事さえなくなります。

勿論始まりは「伴侶を助けたい」「家族を守りたい」「子どもを救いたい」という愛。そこから始まっています。

ただ問題ある依存者を際限なく助け続けることで、当たり前ですが自分が疲弊してきます。

この絵柄を見てください。この「誰かを向こう岸に渡しているワタシ」は、もう自らが助かる手段が一切ありません。

清らかですか?美しいですか?

それとも、自らの「怖れ」を見たくないがために、もしかして「そうしたくてしている役割」?
(*カード出典詳細は、最下段に記述します)

本音は「ギバー」もイヤなんだと、私は思います。

「ワタシだって助かりたい!」に違いありません。

誰だって損はしたくない。

誰だって、自分の丹精込めた努力の日々の先には光が在って欲しい、と願うものです。

◆人は納得いかないことに、恨みや憎しみを覚えます

「報われない」の代表者である「ギバー」の内側には我慢と抑圧からくる怒りが渦巻いています。

そしてこの「自分を大切にすることを自分に許さない」期間が長くなればなるほど、ギバー自身のセルフイメージが下がり、人生が暗転していきます。

せっかく・・・

問題を何とか収拾させようと人生を懸けて頑張ったのに!!

あんなに、あんなに、頑張ったのに!

大切な人だったから、そうしたのに・・・ 自分の人生が暗転するにつれて、その大切な人が殺してやりたいほど憎い人に変わっていきます。

本当に悲しき矛盾した、哀れな悪循環です。

私のブログは、この「ギバー」についての記述が実に多いです。良ければ参考にしてみてください。
【復讐と言う生き方】https://original-ownlife.com/blog-2022-4/
【誰かを許せないあなたへ】https://original-ownlife.com/blog-2022-3/
【犠牲的な生き方】https://original-ownlife.com/blog-2022-15/

◆「ギバー」は、もっと厄介なものに変身する

実は「ギバー」こそが共依存を継続・連鎖させていく張本人だと、私は思っています。(行き過ぎた献身を、心理学的には「イネイブラー」=助長者と呼びます)

これも本当に矛盾した悪循環なのですが・・・

イネイブラーと化したギバーは、その自分の存在意義のため「常に周りに『可哀想な人』を創り出し、決して手放しません」

私の原家族では、ギャンブル依存の父を散々助長した母が、父亡きあと私のきょうだいに触手を伸ばし既に捕獲しております。

◆共依存では「ギバー」=「テイカー」

そして「与える人」であるはずのギバーは、その実「テイカー」でもあります。

え?誰に対して?

はい、自分より弱い者に対して、です。

人の我慢の容量は、たかが知れています。

修験道や山伏なら話は別ですが、我慢や不満はギバー本人からすぐに溢れだし、手っ取り早いところで自分より弱い立場の我が子に対して、ギバーはテイカーへ変身します。

これがいわゆる子供から見た「可哀想な母」「可哀想な父」です。

子どもを支配・コントロールするための餌は、親に対する「罪悪感」と「愛」です。

あなたはそういう「可哀想な父母」を、散々助けてきませんでしたか?今も助け続けていませんか?

大好きな親の笑顔を見たくて。

親にいつも幸せでいて欲しくて。

優しいあなたは、幼い頃から親の幸せの為に「子どもらしくない我慢」をし続け尽くしてきませんでしたか?

◆どうかもう「ギバー」を引き継がないで!

さて、ここまで書くとお分かりの方もいるかもですが、そうやって生きて来た人は可哀想な親の後を引き継ぐ、立派な「ギバー」となってしまうことが多いです。

そもそもなぜ自分は何かを解決する時、「我慢一択」なんでしょうか?

そこを一緒に考えてみませんか?

それ以外の解決法、勿論あります。

「自分を大切にしてくれない相手と、距離を置く、決別する」です。

「私はもうこれ以上、あなたを助けるのは無理です。ごめんなさい。さようなら」

あなたの中にいる大切な誰かにサッと一線を引く自分をイメージをしたとき、どんなザワザワがあなたの心を逆撫でしますか?

なぜ私は恐怖を感じるの?なぜ私は罪悪感を感じるの?

その答えを知りたい方は、是非お試しカウンセリングをご利用頂き、思いつくままに今のお悩みをお話しくださいね。

「一度話してみよう」と思われる方、私はそのあなたの勇気に敬意を払い、
心から歓迎し精一杯あなたに伴走させて頂きます。

*『セルフセラピーカード』心理学者でセラピストのチャック・スペザーノ博士(Dr. Chuck Spezzano)が確立した治療学的にも癒しの効果が高いと評価されている「ヴィジョン心理学」を、博士自身が48枚のカードにまとめたセラピー・カード。日本語解説本付き(出版社:VOICE)