【親の背を見て子は育つ】その【背】は、あなたに何を語っていましたか?

毒親の因縁を断ち切って自由なあなたを生きる「オリジナルライフメソッド」香月映見です。

今日もブログを読んでくださり、大変ありがとうございます。

◆新しい年の始まり

2023年が始まりましたね。皆さまはどのような年越しの時間を過ごされましたか?

私はある事情からクリスマスイブに急な引っ越しをし、クリスマスから年明け2日くらいまでひたすら家で荷物整理をするという稀有な年越しでした。

人生にはイロイロありますから、こんな時もあります。とにもかくにも、陽当たりの良好な新居で無事新年を迎えられたことに、感謝です。 そして、はい!ニンゲンは結構大変です。

今日は相談者さんが年始のカウンセリングで話して下さった、「毒親の因縁を断ち切って」について書きたいと思います。(ご本人に掲載許可を頂いています)

因みに「毒親の因縁を断ち切って」は、このホームページのヘッダーにも載せているフレーズです。

◆昨年出来たこと、今年したいこと

5回コースに入っていただいている方々へ、昨年年末に私からメールをしたんです。「2022年に出来たこと」「2023年にしたいこと」教えてくださいって。

年明け早々のカウンセリングを予約されたその相談者Bさんは、幾つもの「2022年出来たこと」をメモを見ながら話して下さいました。

その中の一つは正に、彼女の家系に横たわる負の連鎖に大きな一石を投じるスーパー・グレート・ファインプレイでした。しかも母子の連携プレー!少なくとも、私はそう感じました。

◆Bさんが一石を投じた出来事とは

それは「大学を中退した息子を許せた」です。

もうかなり以前に暴力的な伴侶と勇気ある決別をしたBさんは、ずっと一人で毎日働いてきました。そのお金で、息子さん本人は希望する大学に進学しています。

Bさんを通じて見えるその息子さん像は、母(彼女)と性質が似ており、とても繊細で情緒豊か、思いやりのある心根の優しい男性です。

そんな彼が中退をするとき「母が一生懸命働いて行かせてくれた大学」を軽んじるわけがなく、彼自身も相当な葛藤があったと想像します。「大好きな母を悲しませることは重々承知の上」それでもどうしても続けていくことが出来ずに辞めた。と言うのが現実だと思います。

◆機能不全家族の家系に横たわる負の課題「因縁」

様々な相談者さんがカウンセリングで話して下さる内容から、父方・母方の祖父母→自分の親→自分と子供または自分とパートナー、この三世代に脈々と引き継がれているというか横たわる、負の課題ともいえる「因縁」が見えてきます。

(様々な表現があります。「課題」「負のカルマ」など。ここでは「因縁」といたします)

そしてカウンセリングに来て下さる方々が【いまここで悩んでいること】も、正にそれ故に、ということが少なくありません。

家系の「因縁」は、決して三世代に限定されているものではありません。恐らくはずっとずっと以前より、何世代、何十世代とその種は受け継がれてきています。

単に私たち人間の寿命で見聞きできる範囲が、せいぜい三世代。頑張っても四世代が精一杯と言うところなのです。

◆なぜ家系代々 負の継承が起こるのか

家系の「因縁」は、魂の概念を切り口に説明すると一番分かりやすいと思うのですが、なんせ見えない世界のことです。多分に抽象的な内容となってしまうことは否めません。

よってここではその概念を用いずに、私たちがよく知る【心身は繋がっている】という臨床での事実から下述致しますね。

私たちの肉体を作るDNAが、代々受け継がれていくことは医学的・科学的に証明されています。私たちの身体は、実際に父母のコピーです。

【心身の繋がり】に基づくと、「生き方」「在り方」「(思考や言動)習慣」というDNA無しのものも肉体と同じく代々受け継がれていく。

証明はされていませんが、私はそのように理解しています。

いわゆる「(良くも悪くも)親の背を見て子は育つ」が、それに当たります。

Bさんの話から見える家系の「因縁」は幾つかありますが、中でも「劣等感」の継承を強く感じます。

それ故にBさんの知る家系三世代の各世代に於ける誰かは、自分がパートナーや親きょうだいから虐げられること、抑圧されることに甘んじています。「私はそうされても仕方ない」から、です。

そして虐げる側にも「劣等感」があるからこそ、自分が見下せる家族の誰かに対して力で抑圧します。「見破られてはならない」から、です。

する人⇔される人が各世代に実在するため、それぞれが「親の背中を見て生きてきた」結果、世代を超えた「因縁」継承が発生するという仕組みです。(私たち一人一人の人生が違うように、家系継承される因縁も家系ごとに異なります)

◆彼女が母として、息子さんを許せなかったら?

相談者Bさんの息子さんに、話を戻しましょう。

息子さんは自分が「苦労してきた母の期待を裏切ったこと」を重々承知の上で、「ちゃんとできなかったダメで弱い自分」を母に見せています。どれほどの勇気が要ったことでしょう。

ここでもしBさんが、大学を辞めて来た息子さんを許せないままだとどうなるでしょう。

息子さんは自分を更に卑下し、それは大きな劣等感となり一生彼の中に残るでしょう。そしてそれは彼の中に「母を悲しませ裏切った上に、大切なお金まで無駄に使ってしまった役立たずな自分」という強い罪悪感をも生みます。

劣等感+罪悪感は自己無価値観となり、それは自分を粗末に扱う選択を人生に於いて繰り返す理由になります。そして自分が幸せにならない方、ならない方を・・・無意識ですが選び続けてしまうのです。

良ければこのブログも参考ください↓
https://original-ownlife.com/blog-2022-4/

つまりは、今までBさんの家系のどの世代にも居た「私はそうされても仕方ない」苦しい生き方をする人が、また一人この世代にも生まれることになるのです。

ただ、Bさんは母としてそんな息子を許しました。

母の期待にそぐえない時もある、ありのままの我が子を受容したのです。これはつまり「どんなあなたでもここにいていいよ」という息子さんその存在そのものに対する愛と信頼と感謝です。

◆Bさん以前の家族メンバーが、誰も出来なかった「劣等感」の断ち切り

家系に脈々と受け継がれてきた「劣等感」を、初めて断ち切る親子が、ここに現れました。

今を生きるBさんとその息子さんです。

Bさんとて、親からそうされていません。寧ろ無関心・蔑み・暴力、抑圧、そのような過酷な環境で彼女はサバイブしてきました。

Bさんがカウンセリングに来られたのも、がんじがらめになっている実母さんとの関係に悩んで、です。

そんな背景がある、この「因縁」断ち切りは、正に母と子のスーパー・グレート・ファインプレイに他なりません。ご先祖様たちも、こぞって大喜びしているはずです。わっしょい!!

天界で大騒ぎしてそう!上から地球を覗き込み「あれだ、あれ、あの親子だよ!」「え?だれだれ?」「あれだよあれ、あの二人だよ」「そっか~、いや~ うちの家系からも遂に出たねぇ。長かったねぇ」なんてね。

「ちゃんとできなかったダメな自分」を母に受容して貰えたことは、息子さんの長い未来に於いて安定安心の基盤となるでしょう。彼はきっとこれからもその「母の背中を見て」、出来たこと、出来なかったことで人をジャッジしない、人の存在価値に条件を付けない、そんな大きな器で懐の深い男性に成長していくと思います。

そして、彼は自分が母にしてもらったことを未来で自分の大切な人にすることでしょう。これも連鎖なのです。

それと・・・気づいていただけましたか?私が上述で「母と子の・・」と書いた意味。

一見ネガティブに見える「大学中退」と言う出来事を起こした息子さん。

彼自身は無意識だと思いますが、母に何か気づいて欲しかったのだと、私は思います。大好きな母をこの負の因縁継承から救い出したかったのだと、思います。

当時カウンセリングに臨み始めたばかりのBさんは、抱えきれないほどの不安と怖れで一杯一杯になりながら毎日を送っていました。自分の人生を見失い、そして諦めかけてもいました。

息子さん!

お母さんは、あなたが自分の未来を賭け身体を張った行為の意味にちゃんと気づき、最良の着地を自らの力で成し遂げましたよ。さすがあなたのお母さんね~

実際Bさんは、約半年間のカウンセリングにとても熱心に真摯に取り組まれました。

何度も立ち上がり、自分を決して見捨てませんでした。自分や自分の未来を、諦めませんでした。

この不屈の精神と粘り強さ、そしてこの竹のようなレジリエンス(回復力)こそが、毒親・機能不全家族育ちで心身虐待を生き抜いた私たちの何よりの強みなのです。

「私は変わりたい」「私は私と私の人生を何とかしたい。私はそれを何とか出来る」

あなたが内なる動機から覚悟を決めた時、人生では必ずそれに応じた出来事が起こるようになっています。

様々な出来事をどう捉え、どう調理するか。その出来事は何を意味するのか?そこから自分は一体何を気づき、何を学ぶのか?

心のバランスを整えること、自分の状態を整えること、出来事や自分・親・きょうだいを客観視することなどに対して、カウンセリングは非常に有効なツールです。(実際私も、カウンセリングに救われた一人です)

「一度話してみよう」と思われる方、私はそのあなたの勇気に敬意を払い、心から歓迎し精一杯あなたに伴走させて頂きます。