「父」という呼び名の一人の人間。え・・・狂暴大型犬、違うかったん⁈

毒親の因縁を断ち切って自由なあなたを生きる「オリジナルライフメソッド」香月映見です。

今日もブログを読んでくださり、大変ありがとうございます。

このブログでは、現在私の5回コース【心の安全基地徹底コース「マイナスからゼロポイントへ」】に入ってくださっている相談者様Aさんとのセッションについて、書いてみたいと思います。(ご本人から掲載許可は頂いています)

コース概要はこちらから
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Aさんとの初めてのカウンセリング

初めて話した時、Aさんは依存的な母親との関係にこれ以上なく疲弊され、「消えたい」「誰も助けてくれない」「人生終わりにしたい」と、とてもとても深く傷ついておられました。

そして、ずっと泣きながら話しておられました。

お話から見えたのは、壮絶な生育環境です。

暴力的で支配的、Aさんに全く無関心な父親。
我慢と犠牲ばかりで子供を守ろうとしない依存的な母親。
父の期待を一身に背負い、父の人生の焼き直し役をさせられているAさんの兄。

そこに貧困や病気も加わります。

Aさんの口から語られる内容は、心に毎日五寸釘を打ち込まれるような耐え難い痛みに満ちていました。

私から見ると、Aさんばかりか家族メンバー全員が苦しく痛く、どの人も等しく心の奥底に沢山の禁止令を持ち、そこからくる共通のテーマ(人生に対する無力感や自己無価値観、孤独感)を生きておられるようでした。

【禁止令】の種類、詳しくは
禁止令(ストッパー) と 拮抗禁止令(ドライバー)

そして皆、その痛みが決して出てこないようにするため、大きな質量の「怒り」でそれをしっかり蓋しています。

思い通りに行かない現実を嘆く日常が続く中、個人が持て余すほどの怒りは他者へのコントロールへと形を変えます。

それは
自分より弱い立場の人へ、流れていくのです。

母から娘へ、娘からまたその子どもへ、兄からは妹へ。
皆自分以外の人を思い通りにしたくて、憤怒が循環していきます。憤怒で蓋をした深い悲しみも循環してきます。

どこを向いても、怒りと辛さと痛みばかりの日常です。息も出来ないほどの生きづらさが、空間を埋めていきます。

そんなAさんの願いは「母から離れ、自分の人生を生きたい」というものでした。

実際に近くにいるAさん母も彼女をとても悩ませる存在でしたが、数十年前にこの世を去ったAさん父も彼女の中にまだ色濃く存在感を遺し、様々な言動の自由をAさんから奪う原因になっているようでした。

◆今は亡きお父さんを心に住まわせ続けるAさん

先日の2時間セッションでは、いよいよ今は亡きAさん父にスポットを当てることにしました

(話したり、図解を見たりしながらカウンセリングは進んで行きます。しばしばうちのニャンちゃんも登場します!)

まずAさんに「お父さんになったつもり」で、話してもらいました。

オレはどんな人生だったのか、何が苦しかったのか?なぜ子供を虐げ、殴り、無関心を貫いたのか。なぜ子どもたちに一言も謝らないまま逝ったのか?

このAさんの語りに、私は驚きを禁じえませんでした。

もう数十年前に亡くなっている方なのですが、Aさんはかなりの詳細をお父さんとして語るのです。

「お父さんに愛されたい、大切にされたい」何度殴られても、何度邪見にされても、幼きAさんがこの想いを持ち続けながらずっとずっと父を観察していたことが分かります。

まだご本人は認めたくはないかも、ですが・・・

Aさんはお父さんが大好きだったのですね。

お父さんとしての語りを聞き終えて、Aさんと私で導いた「本当のお父さん」は・・・

小さくて、よく吠えるポメラニアン

Aさんのお父さんは、ポメちゃん!だったのです。

それがAさんの中では、長い年月を経て募る想いが更に怒りに油を注ぎ超狂暴な大型犬(さしずめドーベルマン!)として君臨し続けていました。

お父さんが答えてくれないからです。謝ってくれないからです。

◆「父」という呼び名の、一人の人間

虚弱体質だったお父さんは兵役を免れ、勉強も思うようにできず、貧困に至ったそうです。

強い家長制度と男尊女卑。

ネットもなく、一族が同じ土地に根を下ろす良くも悪くも 皆知り合い! みたいな狭い村社会。

「欲しがりません、勝つまでは!」「お国のため!」「天皇陛下万歳!」

それ以外の思想を持つことを禁じられていた、あの昭和10年代。

Aさん父、あの時代ではきっと「役立たず」の烙印を何度も押されていたはずです。

痛烈な劣等感を抱えて生きたであろう父と言う一人の人間像が、Aさんの語りから浮かび上がりました。

だからこそ、あの生き方だったのでしょう。

本当はポメちゃんだと、見破られてはならないのです。決して見破られないようにしなければ!

「やられる前にやる!」まず己の力を見せつける!先手必勝!

その打ち手しか、お父さんにはなかったのでしょう。

暴力と無関心で家族を虐げ、きょうだいや まだ幼い姪・甥にまで次々と先手攻撃を仕掛けていくのです。

そしてお父さんの周りからは人がいなくなりました。自らの言動が、人を遠ざけたのです。

そんな結論に至ったセッション過程で、Aさんからも笑みがこぼれるようになりました。カウンセラーとして心が熱くなる大切な瞬間です。

ただね
親にどんな背景があるにせよ、守るべき非力で無力な子どもに暴力を振るうことは許されないと私は思っています。

だってこれ、弱いものイジメやん!かっこ悪いやつ、やん!

未熟で不安定な親が残したその傷は、深く大きく私たちの中に残り、精神的成長を阻み生きづらさを生む原因となります。

苦しい想いが残る今、親としてお父さんを許す必要はありません。父を許せない自分を赦し、自分の人生を前に進めましょう。

熱心にカウンセリングに臨まれ、日々コツコツと内観を続け、心の仕組みも随分理解されたAさんなら、未来で「父という呼び名の一人の人間」は許せるかも知れません。

セッションの中でAさん自身も自覚されていましたが、現在のAさんはもう実際に人として、あの頃の父を既に越えています。

◆毒親問題のゴールとは?

毒親問題は、私たちが毒親から離れることがゴールではありません。

その後「自分はどう生きるか」が最も大切なゴールであり、スターでもあります。

よって毒親との線引き・離別・断絶は、自分の人生を生きるための一つの過程であり、経由点に過ぎないのです。

そして「自分の人生を生きる」には、アダルトチルドレンからの脱却も必要です。

具体的には大きく下記2点です。

  • 自分の機嫌を自分で取れること
  • 自分の言動に責任を持つこと

アダルトチルドレン詳細はこちらから
https://original-ownlife.com/zetsubo/#AC

毒親詳細はこちらから
https://original-ownlife.com/zetsubo/#AC5

ただ上記 ①と② に至るまでに、あなたが幼き頃、そして今もずっと封印している悲しみ、苦しみ、痛みを気が済むまで話すことも、とてもとても大切な過程です。

Aさんもその過程をたどりながら、ご自身の状態を客観視する努力を毎日継続され今に至ります。

◆Aさんの周りが、なんだか楽しくなってきた!

本気で自分の人生を生きようとするその姿勢は、最近Aさんの交友関係にも恵みをもたらしたそうです。

偶然の出来事から、懐かしい学生時代の友人たちとまた繋がれた、とのこと!

Aさんが「被害者ポジション」から勇気を以て抜け出したから、です。

会ったこともないAさん父へ、私からは
「お父さんが兵役を免れたお蔭で、Aさんと出逢えました。ありがとう~」とお伝えしたいです。

「一度話してみよう」と思われる方、私はそのあなたの勇気に敬意を払い、
心から歓迎し精一杯あなたに伴走させて頂きます。